遠藤登記測量事務所 土地家屋調査士 遠藤幸保 の日記
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悩ましい地目変更登記
2016.05.28
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約120坪の土地の畑から宅地への地目変更登記の依頼を受けました。
早速資料を調査したところ、建物図面・各階平面図でその敷地に建物が建っていて、建物登記簿も備わっていたので、宅地に地目変更することに全く問題なしと判断して現地調査に出かけました。
建物の西側・南西側・南側と写真を撮影していき、隣地の地目も調べなければと思い、建物の北側に回ったところ、なんとその敷地の約4割が畑になっていて、しかも建物の敷地とはフェンスで区切られていました。
その光景を見て、この地目変更登記の依頼そのものがキャンセルになる可能性を感じました。
というのも地目変更登記を依頼してきたそもそもの理由は、住宅ローンの借り換えにあり、その土地に抵当権を設定するために、地目変更する必要があったからです。
その日のうちに、登記相談票を作成し、東京法務局発行の「土地建物調査要領」の地目の認定基準「住宅街又は商店街等の地域内の整地された土地で、周囲の状況その他の事情から、近い将来建物の敷地として利用されることが確実と認められるもの」は宅地として認定されるという記述を根拠に、管轄法務局へ写真を持参して相談に伺ったところ、担当官の方は「当該土地を宅地として認定することは個人的には構わないと思うが、上司に相談して回答する。」とのことでした。
約20分後に相談を終えて、写真がいっぱい載っている表示登記教材「地目変更」の書籍を基に次のように説明してくれました。
①上記の「土地建物調査要領」の地目の認定基準の考え方は、確認申請を提出済とかの場合を指していて、近い将来建物の敷地として利用されることが確実と認められる根拠がほしいところである。
②屋敷内の土地の一部を利用して自家用の野菜などを栽培している菜園も宅地として取り扱うが、屋敷内の畑であっても、垣根などにより建物の敷地の部分と畑の部分とを明確にすることができる状況にあるときは「畑」とする。
③今回のケースについては、統括登記官まで決裁を取り回答したい。
私も間に何人もの方が介在しているので、その畑が自家用の野菜を栽培しているのか近い将来建築計画があるのかなどのポイントとなる点はわかりませんので、事務所に帰って来て司法書士の先生から聞いてもらっていますが未だ回答がなく、担当官の方には待っていただいている手前そう長くは引き延ばすこともできず困惑しています。
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土地家屋調査士法人 山口事務所 →http://endo.han-jo.jp/
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